日和下駄とコウモリ傘と永井荷風
Salon1周年の際に、気に合ったコウモリ傘を探していて釘付けとなった2枚の写真。
なんてハンサムな…そしてスネの形も完璧っ!着物の裾をまくり上げ、雪駄になぜか
コウモリ傘という出で立ちに魅せられてしまいました。
この他にも写真館と思われる室内で、下駄にやっぱりコウモリ傘でポーズを決めている
男性の写真が沢山ありました。このスタイル流行ってた模様。しかも普段道でではなく、
記念撮影のセット的な感じでかな?おもしろいですね。

そして2枚目はこれまた気に合う桐の下駄を探していたら見つけた永井荷風の資料より、
籠と下駄とコウモリ傘3点セット!籠男子の走りだったのね〜素敵すぎる。こいうのを
見つけると俄然粘り強くしっくりくる物をとことん探す私。おんなじ事がしたい病発症
です。Sugri Salonのコウモリ傘と日和下駄と湯かごはこんな事から定番として扱う事と
なった次第です。

永井荷風の『日和下駄』ん〜〜文章まで私の気分にピッタリだった。
でもここしか読んでないのよね。今度古本で見つけて読みたいな。

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第一 日和下駄

人並はずれて丈せいが高い上にわたしはいつも日和下駄ひよりげたをはき蝙蝠傘こうもりがさを持って歩く。いかに好よく晴れた日でも日和下駄に蝙蝠傘でなければ安心がならぬ。これは年中湿気しっけの多い東京の天気に対して全然信用を置かぬからである。変りやすいは男心に秋の空、それにお上かみの御政事おせいじとばかり極きまったものではない。春の花見頃午前ひるまえの晴天は午後ひるすぎの二時三時頃からきまって風にならねば夕方から雨になる。梅雨つゆの中うちは申すに及ばず。土用どように入いればいついかなる時驟雨しゅうう沛然はいぜんとして来きたらぬとも計はかりがたい。尤もっともこの変りやすい空模様思いがけない雨なるものは昔の小説に出て来る才子佳人が割わりなき契ちぎりを結ぶよすがとなり、また今の世にも芝居のハネから急に降出す雨を幸いそのまま人目をつつむ幌ほろの中うち、しっぽり何処どこぞで濡れの場を演ずるものまたなきにしもあるまい。閑話休題それはさておき日和下駄の効能といわば何ぞそれ不意の雨のみに限らんや。天気つづきの冬の日といえども山の手一面赤土を捏返こねかえす霜解しもどけも何のその。アスフヮルト敷きつめた銀座日本橋の大通おおどおり、やたらに溝どぶの水を撒まきちらす泥濘ぬかるみとて一向驚くには及ぶまい。私わたしはかくの如く日和下駄をはき蝙蝠傘を持って歩く。
by sugri | 2014-07-08 15:48 | Favorite
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